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云葉の真意

死に美しさを見るのは
子供のする事だ

†云葉の真意†


「貴様は儂から何を貰って居ると思う?
暴力、苦痛、屈辱――其れとも別の物か?」
「……何も。
私は何も頂いては居りません」
「面白い事を云うな、メガザラック。
儂は貴様に対して愛を与えて居る所存だが?」
「初耳ですな」
「当然だ。暴力と書いて愛と呼ぶのだから」メガザラックのバイザーの
古みを帯びた鎖で遊びガルバトロンが時折笑いを零す。
「なぁ、貴様は死に何を見る?」
「……は?」
話の流れとは無関係な話題が突如飛び出て、メガザラックが一瞬呆けた。
「死…ですか」
「然うだ。儂は長い間其れに美しさを見て居た。
だが其れは愚かな虚像に過ぎん。
死とは元々無意味な物で有り、我々に何も残して行か無い。
其れに美しさを覚えようと自分を更に愚かにする行為に
何時から吐き気を覚えたかな」
「確かに美しく清烈に見せる死も幾らかは在る。
だが其れは誰かの記憶に残って居たいと云う願望の表れで有り、
無価値の死より更に無価値づ吐き気をそそる物だ」
云い乍、ガルバトロンが鎖飾を力任せに握る。
メガザラックは千切れてしまわないかと其ればかり見て居た。
「儂は何時か貴様を殺すだろうな。
否、何時かでは無く明日、明後日…なのかも知れぬ」
「然うかも知れませんね」
「おや、云い返さないのか」
珍しい事も有る物だ、と。
ガルバトロンが咽喉の奥で嗤った。
バイザーの薄碧色に色付けられた硝子部分に指を滑られた後、
其れをメガザラックに向かって放り投げた。
「……っと」
バイザーを受け取ったメガザラックが鎖を首に掛け、
何時もの定位置へと直した。
「一つ、宜しいですか」
「ん?」
「私は…貴方が死んだ時に屹度美しいと思うのでしょう。
皓い姿に赫い血が散るのは」
「………最高に面白い台詞を貰ったな」
然う云ってガルバトロンが濃い水色の眸を細める。
失云だったとメガザラックが口に指を思わず持って行き、
恐る恐るガルバトロンを見る。
が、ガルバトロンは機嫌が良さそうに口端に微笑を浮かべて居た。


“何を想って此の様な事を?”
“……貴様に釘を刺す為に”

―貴方に死と云う美が見たい―
END